受賞者紹介

第60回 社会貢献者表彰
エル・ビー・シー

L.B.C.

(福岡県)
L.B.C. 大橋智子
大橋 智子

L.B.C.(Law Braille Circle 法律を点訳するサークルの意)は、1979年「化学実験中の爆発事故で失明した高校生が九州大学への進学にあたりサポートを募る」というニュースを目にした大橋智子さんが応募し、活動を始めた点訳ボランティアサークル。それまで専業主婦をしていた大橋さんは全く点訳の知識がなく、一から点訳を学んだ。法学部に進学したその学生のために、大学の教科書やテスト、かなり難易度の高い法律用語を点訳することもあり自身も勉強が必要だったが、その努力すらも面白かったそう。その後に担当した学生は数学を専攻したので、更なる挑戦となった図形の点訳も手がけた。1985年には任意団体として8名のメンバーとともに活動を本格化し、現在は32名のボランティアが集う。当初は手動式点字タイプライターを使用していたたが、1990年パソコンの寄贈を契機に、現在はコンピューターソフトを使い、メンバーとはデータをやりとりして校正作業を行い、自宅で作業を完結できるようになった。活動は評判を呼び、様々な要請に応えている。大橋さんは88歳の今も仲間とともに点訳を続けており、ラジオ英会話のテキスト点訳を初稿、チェックと役割分担して完成させ、目の不自由な方に届けている。

推薦者:社会福祉法人 福岡市社会福祉協議会

この度は社会貢献支援財団様より表彰を賜り、感謝申し上げます。

式典で受賞者の皆さまとお話をし、色んな方が、色んな形で世の中に目を配り、手を差し伸べておられる事を知り、安心感と共に嬉しく思いました。

私は点訳を通じて多くの方々と手を繋ぐことが出来ました。校正作業は一人ではできない為、グループの方々と意見を交わし、間違いのない文章にするよう心掛けねばなりません。

色んな依頼がありますが「お友達とカラオケに行きたいから歌詞の点訳をお願いします」という依頼は嬉しい事でした。この様に日常生活を楽しんで貰える事こそ、私共の喜びとなるところです。

一方、学生生活に必要な点訳も大切です。初めての点訳は九大法学部の学生さんへの点訳でした。専門の法律用語を正確に伝えられるか心配でしたが、担当教授が「難しく考えず、分かりやすい言葉で良いですよ」と声を掛けて下さり気持ちが軽くなりました。

数学専攻の学生さんへの点訳は、1つの式が点字では何行にも及ぶことがあり、この式がどこから始まるのか理解できるのだろうか、心配もありましたが、図式や数式にも挑戦しました。

その後は英文科の学生さんからの依頼と、次々と依頼を受ける様になり、グループの人数が増えたとはいえ、忙しい日々を送りました。英文科の学生さんは、トップで卒業され、私たち点訳者も卒業式に招待頂き、感動した事を覚えています。

現在は、NHKラジオ英会話のテキストの点訳も手掛けており「サピエ図書館」サイトからダウンロードが可能です。

必要な方へ手助けが出来ることが、グループ全員の遣り甲斐になっております。

活動を始めてから40年近く経ちますが、もうしばらく皆さんと力を合わせ続けていきたいと思っております。

  • 点訳グループの皆さん
    点訳グループの皆さん
  • 例会
    例会
  • 点訳の校正中
    点訳の校正中
  • 点訳の校正中
    点訳の校正中
  • 点訳の校正中
    点訳の校正中
  • 点訳の校正中
    点訳の校正中
  • 点訳前のテキストごとの打ち合わせ
    点訳前のテキストごとの打ち合わせ
  • 点訳前のテキストごとの打ち合わせ
    点訳前のテキストごとの打ち合わせ
  • 点訳前のテキストごとの打ち合わせ
    点訳前のテキストごとの打ち合わせ
「ひとしずく」社会課題に立ち向かう方々を応援するサイト