受賞者紹介

第50回 社会貢献者表彰

人命救助の功績

いしぐろ ゆうこ

石黒 優子

(静岡県)

クルス・アイリッシ・リコ

(静岡県)

カスピリョ・マリセル・カバキット

(静岡県)
石黒 優子
石黒 優子
クルス・アイリッシ・リコ
クルス・アイリッシ・リコ
カスピリョ・マリセル・カバキット
カスピリョ・マリセル・カバキット

2017年2月28日、静岡県伊豆多賀駅(無人駅)で、石黒さんら3人は、線路に落ちたとみられる男性がホームに手を掛け、頭を覗かせている光景を目にした。3人でホームに男性を引き上げようと試みたが、男性は泥酔していて力を入れることが出来ず、女性の力で引き上げるのは難しかった。数分後には列車が来る状況になったがどうにか引っ張り上げることが出来た。3人は警察の到着まで泥酔して先の行動が読めない男性を取り囲んで待った。

この度はこのような名誉な賞をいただき、ありがとうございます。また、式典の際には様々な社会貢献をされている方々のお話を伺うことができ、人生においてとても貴重な経験をさせていただきました。

救助現場
救助現場

2017年2月28日18時30分頃、仕事を終え伊豆多賀駅まで向かった私たちですが反対側のホームへと渡ろうとしたリッシさん(クルス・アイリッシ・リコさん)、セルさん(カスピリョ・マリセル・カバキットさん)の2人が改札を出ようとした瞬間、2人の驚いたような大きな声が聞こえました。2人が私の名前を呼んだと同時に、私の視界に線路で首から上だけ覗かせるお年を召した男性の姿が目に入りました。

私は驚き、すぐに駆け寄りましたが、男性の話す事は聞き取る事ができず、こちらの指示も全く通りませんでした。電車が来る時間が迫っているため、とっさに引っ張り上げようとしましたか、男性の方に力が入らない事、男性の首までホームの高さがある事で3人では到底引き上げる事は出来ません。

引きあげる事が出来ない為、慌てて『非常停止ボタン』を探すも、無人駅の為かボタンがなく、改札付近にある連絡用の電話にて連絡をしました。連絡後再度引っ張り上げようとしましたが、やはり男性の協力がない事には持ち上げられず、下手に下に降りてしまえば次は自分が上がれなくなってしまうかもしれないとのことで、頭を悩ませていると少し離れた所に足をかけられる様な突起を見つけました。暗かったのですぐに見つける事が出来なかったのですが後から来た他の女性2名にも手伝っていただきそこまで誘導しうまく片足をかけていただいた所で一気に引きあげました。引き上げて安心したのもつかの間、泥酔されている様子の男性はまた線路へ降りかねない状態であった為、すぐ後ろの改札を抜け椅子へと座らせ、警察へと連絡しました。そして警察の到着を待ちました。発見して駅に連絡をして警察が到着するまで気が気じゃなく、とても長く感じました。その場には女性しかおらず、男性は泥酔されている様子のため遠巻きに囲んで男性が動き出さないか見ており、警察の方が到着した時にはホッとしました。同時に警察に対して声を荒げたり抵抗している姿を見て、誰も怪我が無くて良かったと安心しました。

まさかこの小さな無人駅で、あのような出来事に遭遇するなど思ってもみなかった為、とても驚きました。電車は30分に1本の無人駅、利用客は少なくその日は近くの高校生も1人もいませんでした。私は電車が到着する音が聞こえるまでホームに行かない為、その日に偶然普段仕事の帰りに電車を利用しないリッシさん、セルさんが駅まで来なければ、きっと発見されなかったと思います。それを思うと、普段テレビのニュースでしか聞かない状態を想像しぞっとしました。偶然が重なり、私たちがやらなければと必死で行った出来事ではありますが、本当に男性が無事で良かったと思います。

 

  • 待機現場
    待機現場
  • 仕事場にて
    仕事場にて
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」