受賞者紹介

第49回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

とくていひえいりかつどうほうじん かこたむ

特定非営利活動法人 カコタム

(北海道)
特定非営利活動法人 カコタム 理事長 高橋 勇造
理事長 高橋 勇造

北海道札幌市内で、経済的な理由や家庭環境によって十分な学習環境にない子どもたちを対象に学習支援を行っている。2011年から高橋勇造さんが学習ボランティアを開始し、2014年に法人化。スタサポ事業と呼ばれる、主にひとり親家庭、親が病気の家庭の子どもなどを対象にしたマンツーマンの学習支援に最も需要がある。この他、市内の高校の授業をサポートするスクールサポート事業や学び直しを支援するリラーニング事業、1回100円で利用できる「ゆるきち」という中高生のオープンスペースを運営している。

エルプラザ拠点における学習風景(メンバー、子ども1対1場面)
エルプラザ拠点における学習風景(メンバー、子ども1対1場面)

この度は栄誉ある賞を頂きまことに光栄に思います。この賞は今まで活動に参加したメンバー、応援していただいている方々とともにいただいた賞だと思います。ありがとうございます。

NPO法人Kacotam(以下カコタム)は、経済的理由や家庭環境等により十分な学習環境にない子どもたち・若者を対象に学習支援をしています。学校教育や学校外教育、普段の生活体験から得られる学びを含めた学びの機会格差問題を解決のため、「環境に左右されない楽しい学びの場をすべての子どもたち・若者へ」を使命としてます。主に児童養護施設やファミリーホーム、母子生活支援施設等の児童福祉施設の子どもたち、ひとり親世帯、生活保護世帯の子どもたちと学習を通して関わっています。

私はこの活動を始めるまで児童福祉や教育とは無縁の生活を送ってきましたが、学生のときの家庭教師がきっかけで子どもの様々な社会問題に関心を持つようになりました。その後一般企業に入社するのとほぼ同時に私個人で活動を始めました。2012年1月に任意団体カコタムを立ち上げ、今までお互いに面識がなかった20名のメンバーとともにいちから活動をかたちにしていきました。その当時、関わる子どもたちは全体で10名ほどでしたが、徐々に口コミやマスコミに取り上げていただけたことで認知されるようになり、現在はメンバー122名、関わる子どもは年間延べ3,400名となりました。

2016年4月には「目前の課題を解決しながら、いかに子どもたちの”やりたい”を見つけて、カタチにすることができたのか。」と学習支援の成果を団体内で定めました。宿題や友達との関係による悩み、私立高校の進学資金など目前の課題を一緒に解決しながら、どのようなことが好きで、どのようなことに興味があるのかを知り、子どもがやりたいことの具現化していくことを大事にしています。また、子どもと学習を通して関わっていくなかで、子どもたちが良い状況のときも、悪い状況のときも、目前にいる子どもを受け入れ、そのような日々を積み重ねていくことで、子ども自身が良い状況のときも悪い状況のときも、ありのままの自分を受け入れられるようにつなげていくことを念頭において子どもと関わっています。

現在に至るまでに多くの方々から助けていただきながら、子どもとの関わりや団体運営における様々な課題を乗り越えてきました。今後も困難なことがたくさんあると思いますが、この賞を励みに活動に努めて参ります。

特定非営利活動法人カコタム
理事長 高橋 勇造

  • エルプラザ拠点における学習風景(全体)
    エルプラザ拠点における学習風景(全体)
  • カコタイム「膜の科学」
    カコタイム「膜の科学」
  • ねっこぼっこのいえ拠点における学習風景
    ねっこぼっこのいえ拠点における学習風景
  • へるすたでぃ拠点における学習風景
    へるすたでぃ拠点における学習風景
  • 自然体験学習
    自然体験学習
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」