受賞者

第49回

社会貢献の功績

こうせいほごほうじん うぃずひろしま

更生保護法人 ウィズ広島

(広島県)

ウィズ広島は、昭和10年から、刑務所や少年院を出ても行き場のない人の為の更生保護施設として、彼らの社会復帰の準備、再チャレンジのための支援活動をしている。昨年は127名の利用者を受け入れ、全国から入所の希望も多く、他の施設から受け入れを断わられた人も快く受け入れ、稼働率は90%にも届く。 25年前、再犯により刑務所に戻ってしまった利用者から、「あのときは希望を持つことができなかった」と手紙に書かれていた事をきっかけに、利用者の心に働きかけ、希望をもって新たな人生を歩んでいくためのサポートに重点を置く体制へとシフトしていった。福祉の専門職員を含め職員の数を増やし、ボランティアとして臨床心理士やカウンセラー等からも協力を得て、薬物やアルコール等の依存や持病、生活への不安等の相談にのるなど、心に寄り添った活動を行っている。また、退所後の生活の安定のために、金銭管理シートを一緒に作成し話し合うなど、年間200回近いイベントを通じて、社会生活に溶け込んで行くため、心のリハビリや、退所した後の社会での生活に不安や寂しさを感じたらいつでも相談に来てほしいと、心と施設の扉を開いて活動を続けている。

推薦者:更生保護法人 全国更生保護法人連盟/
更生保護法人 函館創生会/更生保護法人 両全会
更生保護法人 ウィズ広島 理事長 山田 勘一
理事長 山田 勘一
地域の人々に喜ばれている職員利用者一体となった地域清掃活動
地域の人々に喜ばれている職員利用者一体となった地域清掃活動

このたび、私たちの日常活動に対して第49回社会貢献者表彰をいただいたことは、日夜、施設を利用する人々と共に歓び、悩むスタッフへの最大の贈り物となりました。ありがとうございました。それにつけ、内館牧子表彰選考委員長が自らの身体痛苦にふれ、人の手を求めたいがたやすく声が出せない。そのとき手がさしのべられたらどれほどうれしいかーと挨拶されました。このたび、その方々に選ばれたことを心からよろこんでいます。

私たちウィズ広島は、明治期創立された広島の免囚保護事業が途絶えたのを惜しみ、2年後の1935(昭和10)年、宿所、食事を提供し、就労自立を支援しようと民間の人々によって設立されました。以来82年、犯罪や非行があったために、生きづらく生きている人々を支援し、その人たちと共にあろうとしてきました。そして1993(平成5)年4月、かつて犯罪や非行があったが、もう一度チャンスがほしいという1枚の切符さえあれば安心して出入りできる場所、《自由駅》になることを決意し、ひたすら支援力を強化してきました。

そして「心のケア活動」を掲げカウンセリングを導入して以来、多くの関係機関、団体、個人の方々のお力をいただき、SST(社会生活技能訓練)、コラージュ作成会、地域清掃ボランティア活動、金銭管理支援・くらしの知恵塾、高齢・障害など自立困難な利用者の医療など福祉的支援、薬物等依存からの回復支援など各種のプログラムを用意し、これに参加を求め、年間200人前後の施設利用者の人々の自立を支援してきました。

そして2017年10月、当施設を退所しても確かな拠りどころがなく、孤独・不安な生活を余儀なくされている、退所した人たちへの支援をはじめました。また、急増する高齢、障害のある女性の居場所確保のため、’19年度着工をめざして別館女性棟の増設を計画しています。なぜそのように犯罪や非行のあった人たちの支援なのか?  明治期自由民権運動の弾圧に抗議して投獄され、後にわが国免囚保護の父といわれた原胤昭はいいます。「囚人(ママ)と枕を並べてヒソヒソと話を聞いてみると、不幸な境遇が彼らを牢獄に送っている事を…知った。そのとき私の頭にしっかと同情の釘は打たれた」(『刑罰珍書集』自序)。それは私たちウィズ広島の原点でもあり、内館牧子表彰選考委員長の《声》でもあるように思います。そしていま私たちは、その《声》を次の時代へつなぐ責務がある、と強く感じています。誠にありがとうございました。            

更生保護法人ウィズ広島
理事長 山田 勘一

  • 「もっと上手になりたい」円滑な対人関係に大切なコミュニケーションに欠かせないSST(社会スキル学習)
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  • 久々に全員集合した調理、事務スタッフ
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  • 元安川沿いに建つウィズ 高齢女性利用者の増加に19年度着工予定として定員6名の別館施設を建設予定
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  • 心身を病みがちな高齢、障がいのある利用者の定期健康診断と生活指導(社会福祉法人恩賜財団済生会病院協力)
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  • 認知行動療法にもとづいて支援する 薬物使用生涯からの回復プログラム”ひま~ぷカフェ”
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