受賞者

第48回

人命救助の功績

さかもと てつや

坂本 徹哉

(佐賀県)

2015年9月18日、午前7時40分頃、佐賀県武雄市内の国道34号二俣交差点を車で走行中だった坂本さんは、交差点を左折した大型トラックが、自転車で横断歩道を走行中の女子高校生と衝突し、女子高校生を車底部に巻き込んだまま気づかず走行を続けているのを反対車線から目撃した。坂本さんは車から飛び降りて両手を広げて立ちふさがり、進行してくる大型トラックを停止させた。事態を把握できないトラック運転手は再び車両を発進させたが、坂本さんは再度立ちふさがり、身を挺して車両を停止させ、運転手を降車させた。運転手にトラックの前輪を持ち上げるように指示し、他の救助者と共にトラックの下から女子高校生を救出した。女子高校生は軽傷で済んだが、うつ伏せの状態で約25メートル引きずられていた。

推薦者:公益財団法人 警察協会
坂本 徹哉
事故現場
事故現場

この度社会貢献者として表彰を受け大変光栄に存じます。人命救助は人生で2度目となりますが、2回共考えるより先に咄嗟に体が動いたという感じです。1回目は十数年前に橋の欄干から飛び降り自殺しかけていた女性を救助し、今回は大型トラックの人身事故に伴う人命救助です。

トラックの前に立ちはだかり車を止め、車輛の下敷きになった少女を助け出したのですが、それを聞いた方々からは、「自分の命まで危険に晒して、少女を救った勇敢な行為だった」と称賛されました。しかしその時は只々「この少女の命を助けたい、こんなところで若い命を犠牲にしてはいけない!」と、必死で救助活動をしていました。
そこには勇敢な行為という認識も、何の利害関係も損得勘定もありませんでした。

「困っている人が居たら助けよう。」小さい時に親や学校から教わる心得ですが、そもそも学ばなくても道徳的に人間の心に在るものだと私は思っています。しかし救助している時、何台もの車が横を通過し、中には写メを撮っている人までいました。「他人に無関心」今日の日本社会の現状としてよく耳にしますが、人の命にまで無関心な今の社会に少々悲哀を感じました。

私にも息子がいますが、昔から「お年寄りや女性には優しく、困っている人が居たら声を掛けなさい。」と、これだけを教えていました。「偉くなる必要は無い、思いやりを持って、当たり前の事が当たり前にできる人間になりなさい」と。

今回、社会貢献者として表彰を受けましたが「他人を思いやり、助け合う」という事が当たり前の社会になれば、きっと国民皆が社会貢献者となるのではないでしょうか。「特別な表彰を受ける事なく、特別な事が当たり前にできる社会」そんな日本になってくれることを祈っています。何よりも今回未来へと命を繋いだ少女が、そういう優しい女性となって、思いやりの連鎖でこの国の未来を、明るく担っていってくれることを祈っています。
でも、「只々、無事でよかった。」それが一番ですね。

今回私以外にも多くの方々が社会貢献者として表彰されておられます。このような方達の活動が、こういう式典により、世間の皆様に知ってもらえる事は大変有意義な事だと思います。様々な取り組みや活動を知って頂く事により、多くの人が「より良い社会」の為に活動されたり、そういう想いを抱き未来を紡いでいかれる様になれば大変嬉しく思います。

私もこれからも引き続き社会貢献者として、社会に対し様々な貢献が出来る様、日々精進して参る所存です。

 

  • 朝日新聞(2016年2月27日)
    朝日新聞(2016年2月27日)
  • 佐賀新聞(2016年2月26日)
    佐賀新聞(2016年2月26日)
  • 感謝状贈呈
    感謝状贈呈