受賞者紹介

第46回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

なち さとこ

名知 仁子

(ミャンマー連邦共和国/東京都)
名知 仁子

1988年から医師として大学病院に11年間勤務していたが、2002年国境なき医師団のボランティア医師の一員としてミャンマーの支援活動に携った経験から、ミャンマーの人々が自立して生きられる道を一緒に創りたいと、「ミャンマークリニック菜園開設基金」を設立した。その後2012年に「ミャンマー・ファミリークリニックと菜園の会」を設立し、同国ミャウンミャの農村部の村々で巡回診療を行い、食生活の指導行ったり、毎週金曜日には村の住民と話し合いの場を設け、村人が抱える問題や解決方法を考える機会を設けている。

推薦者:森 孝仁
村人と栄養 MFCG©2016
村人と栄養 MFCG©2016

このたびは 公益財団法人社会貢献支援財団の社会貢献の表彰を頂き、本当にどうもありがとうございます。 今回、この賞は、森 孝仁氏からの推薦を頂き、このような機会を頂くことが出来、大変名誉なことだと感謝しております。この賞の受賞は、自分自身の設立した団体(ミャンマー ファミリー・クニックと菜園の会(MFCG))を実質支えてくれています、事務局の小野、そして運営パートナーと呼ばれるメンバーやボランティアさんの存在が無ければ得なかったと確信しています。本当に感謝しかありません。

このMFCGを立ち上げる前は医師として最先端の医療を担う大学病院で11年間勤務しておりました。

現在はミャンマー(旧ビルマ)という国で自分の一生を捧げる決心をしてミャンマーの無医村に、医療・菜園を通じ保健衛生・栄養などを学ぶ機会を提供し、彼ら自身が生活環境の課題を解決し、命を育む未来を描ける社会の実現をサポートする」ことを目標に活動しております。

ミャンマーの僻地ではまだまだ、医療なども受けられない人々が大勢います。電気も安全な水もない生活をしている彼らの保健衛生レベルはとても低いです。病気になっても病院へのアクセスが無いために治療も受けられず、また、治療代金が払えないのが現実です。その背景には保健衛生の知識が普及しておらず、清潔な生活環境がないため病気に感染しやすいこと、知識不足による栄養不良を引き起こしていること、そして、慢性的な食糧不足があります。

つまり、“負の循環”によって健全な生活を得ることができずに過ごしている人々が少なくありません。

例えば、“脚気〔ビタミンB1欠乏〕”で亡くなる人があとを絶ちません。私は医学部の教科書で、脚気を学びましたが実際に患者さんを診る事はありませんでした。また、ビタミンB1の注射を打てば亡くなることはありません。でも現実には亡くなっています。我々の移動クリニックのチームは12の村を定期的に巡回しているため2ヶ月に1度しか同じ村を診療のために訪問できません。その間に患者は治療を受けられず亡くなってしまいます。
どうやったらそれを防げるのか? “予防”しかありません。そう考え、2つの事、①保健衛生の予防医学の普及と ② 村の住民から希望者を募り、自分たちで自分たちの健康を守れるように地域健康推進員という人材育成をおこなっています。さらに菜園事業も考えます。専門家と提携して家庭菜園レベルの野菜の育成、普及に尽力しています。
“医療と菜園”、医療と菜園という両輪によって、人間の命を考える機会を作ること、そして、自らの問題を解決する姿勢を定着させることが私の使命です。 

また、我々の活動では聴診器1本で人を診るということをします。そこには血液検査も尿検査もレントゲン装置も存在しません。その中で人を診るとはどういうことか?日々医師として学んでいます。このすばらしい実体験を日本の医療関係者にも経験してもらいたいと思います。そして、その学びを日本の医療現場へ還元し、日本の患者さんへ貢献して頂きたいです。ミャンマーと日本が共に幸せに歩んでいけるようにします!! 今回は本当にどうもありがとうございます。

NPO法人 ミャンマー ファミリークニックと菜園の会(MFCG)
連絡先:東京都荒川区東尾久8-41-23  
電話&FaX:03-6807-7499
E-mail:myanmarfcg.info@gmail.com
HP:http://mfcg.or.jp/
FB:https://www.facebook.com/mfcg.or.jp

  • MFCG©2016
    MFCG©2016
  • 衛生について指導中 MFCG©2016
    衛生について指導中 MFCG©2016
  • 血圧測定 MFCG©2016
    血圧測定 MFCG©2016
  • 村人と MFCG©2016
    村人と MFCG©2016
  • 村人とたちと MFCG©2016
    村人とたちと MFCG©2016
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」