受賞者

第46回

人命救助の功績

あおき ひさこ

青木 久子

(茨城県)
あおき けんた

青木 謙汰

(茨城県)

平成26年10月1日午後7時40分頃、茨城県常総市の関東鉄道常総線石下駅の踏切を青木久子さん、謙汰さん親子が車で渡ろうとしたところ、踏切から3mの地点に女性が座り込んでいるのを発見した。青木さん親子は下車。久子さんは女性に線路から出るよう説得したが、泥酔していた女性は聞き入れず、一方、謙汰さんは携帯電話で現場の状況を駅員に通報した。踏切の警報機が鳴り、遮断機が降り始めた事から、久子さんが女性を線路外に引っ張り出し救出した直後、列車が速度を緩めながら通過した。

推薦者:公益財団法人 警察協会
青木 久子
青木 久子
青木 謙汰
青木 謙汰

青木 久子

この度は盛大な式典を挙行していただき、まことに身に余る光栄に存じます。息子共々心より御礼申し上げます。式典では、他の受賞者の功績を拝聴させて頂き胸がいっぱいになり、私にも何か出来ることがあるのではないかと、思わずにはいられませんでした。

平成26年10月1日午後8時過ぎ線路に座っていたお年寄りを助け、息子と共に車に戻った私は、ほっと胸を撫でおろしていました。
すると普段は冷静な息子が、開口一番「母さんまるでドラマみたいだったね」と言うのです。その言葉を聞いた瞬間、息子はどんな気持ちであの場所にいたのだろうかと思い胸が痛みました。

同日午後7時半過ぎスクールバスから降りた息子を車に乗せ、その日に限って何故かいつもは通らないルートで塾へと向かっていました。その途中踏み切りを渡っていた時、線路内に人がいるのを発見しました。すでに日が落ち薄暗かったため、どんな人かわからないままに恐る恐る近寄り「どうしたんですか?」と何度か声をかけました。すると「もう死んでもいいんだよ」と口を開いたのです。その時アルコールの匂いがしたため酒に酔っているといる事もわかりました。

これは私達だけでは手に負えないと思い息子に助けを呼ぶよう伝えました。助けを待つ間は、その人をなるべく刺激しないよう注意し線路の外に出るよう説得しました。
しかし、程なくして踏切の警報音が鳴り遮断機が下りてしまったのです。慌てた私は何とかして線路外に連れ出そうとしましたが、泥酔状態で腰が抜けていたため、持ち上げる事すら出来ませんでした。
そんな時介護保険施設に勤務している私の脳裏に、同僚が両脇を抱え移乗している姿がふと浮かんだのです。すぐに両脇を抱えた私はありったけの力を出すとなんと身体が浮いたのです。そのまま引きずりながら無事に線路外に出すことができました。

その直後、下り列車が通過して行きました。その時は無我夢中であったため全く恐怖心はありませんでした。私はその人に「助かってよかったね」と声をかけると「あんたのおかげだよ。ありがとう」と言っていました。

 今思えば私一人では勇気が出なかったかもしれません。その場に息子がいてサポートしてくれたから救うことができたのだと思います。

そして、数ヶ月経ったある日その踏み切りを渡ろうとすると、非常ボタンが新しく設置されていました。その時私は、初めて社会に貢献できた事を実感しました。

最後になりますが、今回人命救助の功績で受賞されました、故 横尾様のご冥福をお祈り申し上げます。

青木 謙汰

あの日、私はいつも通り母の車で塾へ向かっていた。そして踏み切りを渡っていた時、母が「誰か線路に座ってる」と言った。私は何か作業をしているのだろうと思い気にも留めかったが、母が「ちょっと見に行こう」と言うので一緒にその人の元へ駆け寄った。

その後、母に助けを呼ぶよう言われたためスマホを取りに一旦車に戻った。一刻も早く電車を止めてもらわないと危ない!と思った私は、必死で石下駅の電話番号を検索した。電話はすぐに繋がったが、石下駅はその時間帯無人であったため水海道駅に転送された。 駅員さんに事情を説明しながら(後にこの電話により電車がいつもよりスピードを緩めて通過したと言う事実を知った)線路の方へ向かっていた時、警報音が鳴り遮断機が降りた。程なく列車が迫って来るのが見え、その後二人がどうなってしまったのか分からずとても不安になった。列車が通過し遮断機が上がると線路の向こうに二人の姿が見え無事である事がわかり安心した。 その後騒ぎを聞きつけた近所の方が警察を呼んでくれたので、お年寄りを無事に保護する事ができた。 車に戻り少し前に起きたことを思い浮かべると、まるでドラマのような出来事だったと思った。

ひと月後、常総警察署長から感謝状をいただき、その後も二年近くに渡り沢山の感謝状をいただいた。改めて大変名誉なことだと思った。

今後はこの経験を生かし、人が命の危険にさらされている時、どうすれば良いのか冷静に考え行動したいと思った。また困っている人にも積極的に手を差し伸べようと思った。

式典では瑤子女王殿下や安倍昭恵会長にお会いでき、他の受賞者の功績を知り直接話をする機会があった事は、私にとって大変貴重な経験となった。本当にありがとうございました。