受賞者紹介

平成24年度

東日本大震災における貢献者表彰

なかむら まなみ

中村 真菜美

(26歳:宮城県石巻市)
中村 真菜美

大震災発生時、コスタリカに滞在していたが帰国して4月上旬に石巻に入った。現地でのボランティアコーディネートの他、他団体との連携の調整、地域の行事や催事のサポート及び、石巻市民とボランティアの交流にも尽力した。現在も石巻市で活動している。

推薦者:一般社団法人 石巻災害復興支援協議会
瓦礫の撤去作業

昨年の4月5日から宮城県石巻市に入り、ボランティア活動を始めてから約1年半が過ぎようとしている。至る所にあった瓦礫も片付き、ヘドロの臭いは消え、街には明かりが灯った。夢物語のように「いつかまた電気が通ったら…」「もし水道が通ったら…」と、話していた日々が懐かしく感じる。メディアを通して、被災地が復興していく姿が日々伝えられているが、果たしてそうなのか。目の前に在る現実とのギャップに、違和感を覚えることが多々ある。

あの日私は、中米の小国であるコスタリカにいた。15時間の時差があるため、東日本大震災発災時は夢の中だった。朝になりテレビをつけると、世界中のテレビ局が津波に飲み込まれていく日本各地の映像を繰り返し流し、各国の首脳たちが次々と声明を発表した。私の実家は茨城県で、家族や友人たちからは状況が落ち着くまで帰国しないよう言われ、しばらくの間は救援活動に動き出した仲間たちとのやり取りに明け暮れていた。そんな折り、仲間がボランティアの派遣を新規で開始することを聞き、そのボランティアコーディネートをする為に急遽帰国した。

側溝を整備

日本に着いて、まだ状況も分からぬままに聞き慣れない「石巻」という土地に入り、テント生活を送りながら活動を開始した。当初は炊き出しや物資配布、泥出しや瓦礫撤去などのコーディネートだった。当時、石巻専修大学に災害ボランティアセンターが設置され、そこに集う団体や個人が毎晩遅くまで集い、情報交換や次の対応について議論を重ねていた。そんな中、ちょうどGWの頃に地元の方から議長に指名され、その連絡会議の議事進行を何故か私が務めることになった。石巻では、複数の団体が協働する機会が多かったので、自然と私がその連携調整も取る機会が増えて行った。今年のGWまでちょうど一年間、議長を務めさせて頂いたが、その後も当時培った繋がりは現場で生かされている。

現在私は、仮設住宅の独居高齢者の訪問活動や2市1町合同で開催する「おらほの復興市〜石巻・女川・東松島〜」の事務局サポートをメインに活動中である。発災から1年半に渡り、ほぼ一歩もこの場所を出ることもなく、ずっと見届け続けて来た。私の仕事は、ここに在り続けることであり、伝えることであり、人と人とを繋ぐことであり、それは今でも変わっていない。ここから先、自分がどうこの場所に関わって行くことが出来るのか、2度目の冬を前にして正直答えは出ていない。

ユンボ

これまで、数えきれない程のボランティアがここに集い、それぞれが出来ることを持ち寄って、今日の日を迎えることが出来た。私はその中で、住民とボランティアの間で通訳をして来ただけだと思っている。お互いの想いが、少しでも良い形で通うように。今回の受賞は、そんな「ボランティア」と称される名も無き方々の代理として、そして今でも共に奮闘している仲間たちの代理としてお受けしたい。最後に、この度はこういった形で表彰を受けたことを大変感謝していると同時に、全ての方々に対しこの言葉を贈ります。「ご苦労さまでした。そして、ありがとう。」

2012年10月31日
秋晴れの石巻にて

  • 集まったボランティアの全体会
  • 川開き 地元のイベントに参画
  • 自衛隊連携