受賞者紹介

平成24年度

東日本大震災における貢献者表彰

いわい けいじ

岩井 慶次

(56歳:岐阜県恵那市)
岩井 慶次

趣味のアマチュア無線がきっかけで平時より防災活動を行っており、2005年に恵那市防災研究会を結成し、地域防災ネット中部の会長に就任し、防災士の資格も取得していた。東日本大震災発生後、石巻市、大槌町などで家屋からの泥出し作業などのボランティア活動を行った。被災地の状況から、災害時のボランティアセンターの早期立ち上げと円滑的な運営が不可欠と考え、恵那市防災会議への参加や、講演会などで啓発活動を行なったり、防災リーダーの養成や防災士の育成を行っている。

推薦者:社会福祉法人 恵那市社会福祉協議会

栄えある社会貢献賞の授与に際し、心より広く感謝を申し上げます。

受賞を誇りに、防災士として培ってきた知識・技能と経験を活かし、「災害時死者0人の協働社会づくりを目指して」行政・社会福祉協議会・災害ボランティアの方々との連携を密に、生涯を通して「あせらず、あわてず・あきらめず」の精神で一歩づつ、防災アドバイザーとしての活動を探求していきたいと思っております。

更に、災害時に、救援側にまわれるような人づくりを目指し精進してまいる所存です。

ボランティア活動をしている仲間の励ましや、私のボランティア活動に理解と温かく見守ってくれた家内や子供達の協力があったからこそと感謝し、この栄ある受賞を共に慶びを分かち合いたいと思っています。

 

宮城県七ヶ浜町瓦礫撤去中

2005年「恵那市防災研究会」を結成。「地域防災ネット中部」の会長に就任。2011年3月11日の東日本大震災以前から、いつ起こるかわからない災害に備えるために、発生時の対応方法を研究し市民で知識や情報を共有できるよう恵那市防災研究会や「地域防災ネット中部」の会長として活動しています。

 

趣味のアマチュア無線を生かし、行政と災害応援協定を終結し、災害時の情報収集や市民への情報伝達を任務とし研鑽しています。

東日本大震災では、災害直後、地域防災ネット中部の会員とともに、宮城県石巻市へ向かい、多くのボランティアが必要と感じ、ボランティア希望者が被災地へ円滑に行けるよう、県に働きかけるなど尽力致しました。

また恵那市においても、市・社会福祉協議会、防災研究会と連携し、「市災害支援ボランティアセンター」を立ちあげ、多くの近隣ボランティアを被災地に送り出すことができた事は、日頃からの活動や顔の見える関係づくりによるものでした。

自身も、県災害ボランティア隊のボランティアリーダーとして岩手県大槌町や七ヶ浜町に向かい、被災した家屋の泥だし作業など、ボランティア活動を積極的に行い、被災地に寄り添うボランティア活躍をしてきました。

宮城県七ヶ浜町
災害救援活動瓦礫撤去

「災害時にボランティアセンターをいち早く立ち上げ、効率的、円滑的に運営するにはどうすればよいのか。災害が発生した時、どこで何を必要としているかをしっかり把握し、そこにボランティアを派遣する仕組みを作っておくことが必要です。日頃から各団体がネットワークを築いておくことが備えになる。」と実感し、現地で得た教訓をもとに、さっそく、防災研究会で報告会を開き、住民に説明するなど行政とともに啓発活動を行ってきました。

6月31日恵那市防災会議にて現地の模様を報告。

市が被災したときにどのように支援できるかなど課題の提議もしました。

7月17日恵那市自治連合会自治会長研修会にて災害時の自治会長の役割をテーマにパネルディスカッションのコーディネーターとして務めました。

9月13日恵那市ボランティア連絡会災害支援講演会にてパネルディスカッションのコーディネーターとして務めました。

その他、県域の活動として、各委員会に出向されています。

岐阜県地震防災フォーラムにパネリストとして参加し、活動内容の報告と今後に取り組みについて対談しました。

岐阜県自助実践200万人運動推進会議 委員

岐阜県震災対策検証委員会(東日本大震災) 委員

岐阜県保育所等防災体制強化事業委託業務プロポーザル審査会 審査委員

岐阜県災害要援護者避難支援避難対策に関する補償制度検討委員会 委員

県内社会福祉協議会との共催による防災講演会。

また小中学校や地域防災団体等に東日本大震災の課題と教訓を広く講演活動をおこなっています。

石巻市シャンプーボランティア活動中
災害から2週間目

10月29日には岐阜市東長良中学校にてキャリアワークショップが開催され防災士の役割や被災地の模様を講話し、減災についてワークショップを実施しました。

災害に負けないためには、日頃の地域の絆づくりが大切と訴え、災害支援ボランティアの役割や継続的な支援と地元でできる後方支援、災害時における地域の連携とボランティアとしてできることなど、被災地へのボランティア活動を今後に役立てていけるよう多くの人々に伝えています。

また、会長を務める防災研究会では恵那市と協働事業を主催し、災害に対する正しい知識や技能を取得し、平時において地域の防災訓練・研修で活躍し救援救護活動を担う「恵那市防災リーダー」の養成を目的とした防災アカデミーを開催し多くの防災リーダーを育て、防災士の育成にもつなげてきました。

災害支援に関する住民の意識を継続し、広げていくための啓発活動を日々、意欲的に続けています。活動してきた行動がやがて防災文化の醸成になることを念願してやみません。

  • 宮城県七ヶ浜町きずな館前恵那災害救援隊
  • 岐阜県防災フェアー岩井防災士