社会貢献の功績
酒井 久江
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点字を学び地域で点訳の協力をしたのに始まり、全国で2番目に設立された東京の盲老人福祉施設「聖明園」に昭和43年から勤務する傍ら、全国盲老人福祉施設連絡協議会の事務局員をボランティアで引き受け、盲老人福祉施設の調査研究、職員研修の企画から開催、盲大学生奨学金制度の創設や海外の盲人福祉協会との交流など、 視覚障害者福祉一筋に42年にわたり活動を続けられている。
昭和43年4月、聖明福祉協会に就職、盲老人ホーム聖明園において、視覚障害者の園長の秘書役と、丁度「全国盲老人福祉施設連絡協議会」(全盲老連)が発足したこともあって、併せて事務局の仕事もさせて頂き、現在まで42年にわたって勤務させて頂きました。
当時、盲老人ホームは奈良、東京、広島の3県に4施設でしたが、全盲老連を組織し、全国の都道府県に1施設設置を目指していました。盲老人の生活実態を知り、専門施設の必要性を広く知って頂くため、各種調査を実施し、報告書を資料として関係行政、団体に訴え、会長はじめ会員施設の尽力により、現在盲老人ホームの無い県は6県のみとなりました。現在加盟施設は、養護盲老人ホーム、聴覚障害老人ホームと特別養護老人ホームとあわせて80施設、利用者は約5,000名いらっしゃいます。
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盲老人のための専門的ケアは一般の老人ホームの業務量を遥かに超え、人員増の必要性を示すため、盲老人ホームで働く職員の勤務状況等を綿密に調査し、陳情を重ねました結果、何年もかかってやっと認められ、ケアワーカー、看護師等の職員増員を実現させて、ケアの充実に努めることが出来、盲老人ホームの存在、必要性を認識して頂きました。
また、全盲老連では、視覚障害者ケアの専門性を重要視して、職員の資質向上のための研修会をはじめ、ハンドブックやマニュアルなどを発行して、研修会、会員施設における研修会や学生、ボランティアの方々の研修にも利用して頂き、盲老人の幸せのために活用しております。特に、新任のケアワーカー研修会は現在までに30回約1,400名が受講、各地の盲老人ホームで主任になったりベテラン職員として活躍されている姿を見ることは、本当に嬉しいことです。
聖明福祉協会においては、盲大学生奨学金制度発足について、事業内容、規則、貸与式等の計画に携わり、40周年を迎えたこの制度のなかで、盲大学生とも関わり、実力ある学生が成長しすばらしい仕事をしてゆく過程を知ることができたことも、大きな感動でした。
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盲老人ホームの利用者は、目がご不自由であっても、自身の生き方をしっかりもっていらっしゃる方も多く、私たちにとって人生の先輩であり、良き教師であり、本当に沢山のことを学ばせて頂きました。お一人お一人の状況に合わせて、施設での生活が豊かであるよう、全盲老連で作成しました「ケアサポートプラン」をもとに個別計画を立てて、ケアに当たらせて頂いております。
世界の盲老人ホーム、視覚障害者施設などの視察などもさせて頂き、特に欧米と豪州に3ヵ月ずつ滞在して、その実態を研修会他種々な機会に報告会や報告書や各種団体の機関誌などに掲載させて頂いて、海外の福祉の研究に提供させて頂きました。聖明福祉協会と豪州の盲人協会との姉妹提携のための準備や、提携式典に秩父宮妃殿下、駐日豪州大使ご夫妻をお迎えした時のことも、とても嬉しい思い出です。
高校時代の日本赤十字青年奉仕団の活動と、卒業後点字を学んだことで、「生涯視覚障害者のための仕事をしたい」と切望したことに始まり、無力の私でも、今日まで視覚障害者はじめ多くの人々から学ばせていただき、励まされ、支えられて、働かせていただけたことを心から感謝いたします。
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盲老人ホームエラノラで盲人で半身麻痺の入所者とクリスマスを祝う
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利用者と共に
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Hisae Sakai
Japan Council of the Social Welfare Facilities for the Blind